2006年07月
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›1 19, 2005
平成9〜15年 No.1
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B
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- 春採湖の空 長く〜長く切れ間なく続く雲に あづかりたし 我68才
- 湖面をさがし水鳥の足跡 長く直線に続いている 春採湖
- 二匹のキツネ 白湖面で舞ながら 愛を確かめ合う 一月下旬
- 春採湖の丘に並ぶ屋根 太陽の光うけ湖面に映る
- 散歩道 しきりになだめても なだめても 吠え続ける犬 頭を下げて通り過ぎる飼い主 我人相が悪いのか?
- 二月十三日 妻の父の命日 寒く〜寒く 我鼻をすする
- 散歩道の友 白い息 吐きながら 笑い顔 幸せ一杯
- 二日間降りし雪 風が作る砂漠模様 美しく 自然の力 頭が下がる
- 湖面包む 木々に白い花 満開につけ 我清くも成り 力強く進行する 石炭車 淋しくも成り 湖畔の岸辺
- 丘の上に立つ煙突の黒い煙 垂直にゆらり〜ゆらりと 空に登る 静けさの冬の春採湖
- 四十二年前の結婚記念日 妻の顔には長いシワ 我の顔にはシミ あと何年生きられるか あゝ 無常!
- あと幾つ寝ると 氷が融けるのか うなずきながら数えるが 首がだるい老人の首
- 数百羽の水鳥の群れ 湖面に浮かんで春をまつ 我も一枚服をぬいで春をまつ 今日は四月一日
- 五月の風はホホを冷やす 大波・さざ波 太陽の光を受けて輝く 山桜が揺らぐ春採湖
- 緑の森より小鳥の声 遠く近くに聞こえる 春採湖の生活の香いがする
- 年に何度か訪れる故郷を目の前に 心ははやり メガネが霧に曇り 目に涙 体は震え 六十年前がよみがえる
- 息子一年の一度の帰郷 妻は朝からそわそわ 市場にカニを求めに行く
- 息子一年ぶりに帰る おかえりと声をかえる妻の顔 目に涙一筋 年のせいか
- 一年ぶりの息子にサービス 夫は他人さまと妻は独り言 サービス サービス 妻の笑顔
- 息子の顔色を見て安心 シワが一つ減って見えるが、また明年の顔色を心配する 妻の顔のシワが一つふえる
- 湖面の粉雪が舞いあがり 七色の光に包まれて 我も七色に包まれる 三月十日 散歩道
- ボート乗り場に一列にならべしカモメ 春の空気を一杯吸って 波きらきらと 我の体に映る
- 十二年の療養中の娘 帰家すも 病気は良くならず 親は涙で目がかすむのみ