›10 23, 2004
平成8年2月分
Posted by cyuou at
11:24 /
Category:
B
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- ピューピューと あと追いながら 枝から枝へ 愛をたしかめ合う 春をまつ
- 坂道 ギューギュと音高く 二ヶ月先の春をまつ 音がする
- 湖の鉄橋に立って 風強く 顔はしばれ 体は飛ばされそう 我は七十才を感じる
- ガァーガァーと沢山のカラス 宿はどこにあるのかしら
- 逃げ惑う四羽のカラス 一羽のトビに追われて 小枝の中へ姿を消す
- 白湖面に赤い布を付けた竹棒 危険な場所 キツネの遊び場 子供達は遊びたがる
- 妻今日ハワイの旅より連絡あり 夕方帰ると 我白湖面に向かって 胸をおどらせ 大きく息をする
- 四組の大ガモ 雄ガモについて列を作り 氷の間をぬって行く むつまじさ
- かさなり合った氷 まえ まえと 押すけれど 新釧路川はまだ二月の川
- まだしも降りし雪の散歩みち 歩けども 歩けども 前に進まず 息だけが荒くなるのみ
- 雪の散歩みち 点々と歩く人あり 我も元気づけられ 歩きだす
- 坂の散歩みち 足をとられ 少しづつ丸くなる背中 春遠く
- 遠く聞こえる機関車の汽笛 今日は淋しい死と生の境
- 今は給食で幸せな児童達 六十年前はムギめしとイナギビめし 我は昔を偲ぶ
- 新雪の散歩みち 五十才くらいの主婦とすれちがう さかんに娘を呼ぶ影はなし 主婦に聞けば娘は痴呆との事 雪に座って雪をまるめている 我が娘の顔が浮かぶ
- 新雪の春採湖を横断せし 人の足跡あり 我はやせたし
- 又も降りし雪 杖のみの足跡だけが続く 散歩みち
- 選炭工場昔 今も屋根は青い 壁はクリーム色 工場の上に立って淋しく思ふ 夢はあと五十年
- 画筆をとる主婦は林ばかり描いている 気分転換に知人浜を教える 主婦は顔を見合わして喜ぶ 我も喜ぶ
- キリーン キリーンと 鳴く声は淋しく 公園は一面銀世界
- 一羽のカラス 今日も友なし ただ下を向いて うなだれている
- 白い散歩みち イガグリ頭の紺のジャージー姿 一列になって 去って行く 我も六十年前を思う
- 白い散歩みち 今日も友とすれ違う あいさつがわりに 冷たい風が ほほをさす
- 散歩みち二ヶ月あまり 合う人と あいさつする 友となりし
- 冷波をかぶりしてひろいし 老婆の昆布 だれが食べるかしら ばちがあたる
- 沖に停泊している船は何を積んでいるのか 沖を向いて 出航をまつ
- 銀世界 凧揚げをしている親子 ダルマ凧は上がりながら子供を にらみつけ 糸をもって逃げる子供の姿
- 老主婦 我が子より可愛いと 杖をだいて 歩く散歩みち
- 湖畔にある小学校の「のき天」塗料がはげし あれから五年 淋しく思う
- 風に乗って四羽のトビ 湖面の上で 上になったり下になったり 春を呼ぶ
- 林の中の散歩みち 主婦二人 雪と林の風景を 鼻をすすり手に息をかけながら 筆をとる まだ二月
- 雪湖面を走るスキーで 老夫婦行く 妻は夫に負けじと ストックをつく 我も少しでもあの幸せを もらいたい
- 今日合ふ地蔵と 自然と友となり 声をかける我
- 白い斜面に 黒い影も短くなり 太陽は中斜照りになり まぶしい光
- 湖の岡の家々に何事もなしや テレビは悲しいこと・血の出る事のニュース 我は雪湖面に向かって 問う
- ドナウ河の上にそびえる古城に似たりし博物館 春採湖を見守る
- 点々と散歩する人は 皆老人 明日の健康を信じ 安らぎを求めて
- 毎日すれちがう老夫婦 笑顔を浮かべて 手を振る 我は幸をいつまでもと祈る 後を振り向く
- 空は青し 風はなし ほほはしびれる 手はかじかむ 身はふるえる 春採湖の冬影は午後なり
- 歩くスキーの二人づれ 一日一日上達が見えるが 息切れると見えて 時々立ち止まる
- 赤い服で画筆を取る主婦一人 我は昔の少女を思う 散歩みち
- 一羽のカラス鳴きながら 頭上を飛び回る 今日は友もなく カラスの友となる
- 弁天浜 昔は昆布の取る浜 今は港も出来 漁を取る浜
- 杖で散歩する人 杖に引かれて散歩する人 共に平和な 散歩みち
- 雪も氷も解けし 散歩みち 春近し胸ふくらむ トビの声
- 夫婦で流れ昆布を ひろいし 食のため まだ知人浜は二月末
- 砂浜に立って カモメを見つめ 我一歩進めば カモメ三歩 後ずさりする
- 昆布を取る人頭より 冷波をかぶり 我は老婆の顔にかかりし 潮吹雪きをぬぐう姿に 頭が下がる
›10 22, 2004
平成8年1月分
Posted by cyuou at
11:54 /
Category:
B
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- 小木の枝 寒そうに 雪よ 氷よ 溶けよと 呼びかけている 春採湖
- 湖面の白雪に キツネか杖の足跡 直線に 我も渡りし 65キロなり
- コトコトと 湖岸を走る 石岩車 今日も明日も 聞いている 春採湖
- うすら光に 雪湖は 静まりかり 何を語ろうとしているのだろう
- 白雪の 湖 氷り溶けり 半透明に 体だるし まだ淋しい
- 一月の雪 無数の鳥の足跡 孫の顔を思う ちぢの涙
- 白雪に 鳥の足跡 無数にあり 我 やすらぎ思ふ
- 湖面に 横なぐり降る小雪 大きな白い山を作る 汗が出た
- 湖面に住む モガモ淋しく鳴きながら 枝から枝へと 春をまつ
- 湖は白く 住む所もなし 枝から枝へと呼ぶ 雌ガモ
- 雪に見る雑林の姿 長くなり 短くなり 我の人生を思う
- 湖の散歩道 点々と 黒白の 二人づれ 肩を寄せ合う 夫婦組
- だらだら坂道 登りおりて 七十の年を感じる
- 石炭車 短い鉄橋通り過ぎる 残るは 昔のオモチャの音
- 湖面の山 少しずつ高く成り 足を止め 手を合わせる
- 湖岸を走るガタゴトに 手をふれば 前後の機関車の汽笛が 我にこたえる
- 湖岸の地蔵の頭に白雪 胸に赤いよだれかけ 今日も人の幸を祈る
- 雪の散歩みち 黄・赤のラック着た 子供達振り返り 親を手まねく
- 散歩みち若き青年 ランニング 吐く息も 湖面よりまだ白い
- 白い湖を 高く丸く廻る タカ一羽 泣く声も まだ淋しい
- チャランゲーチャシは 昔はアイヌの砦 今は地蔵の守る森
- 雪をかぶり森林の S型道路 そこに急ぐ ツートンカラーのクルマ
- 通り合う雪の散歩みち 老夫婦まん丸と着込んで 下を見て歩く
- すいすいと滑る 赤・紫・緑姿 声高く 目がまぶしい
- 岸辺の枯よし 頭に綿帽子を付け 風を受けて 影を写す
- 綿雪をかぶりし地蔵 一輪あげし 地蔵を祈る 老夫婦
- 散歩木橋に またも降りし一月の雪 歩くたびにギューギュと鳴る音に身がしまる
- 雪積もりし散歩みち 先になったり 後になったり つつましい夫婦組
- 散歩みち 落ちていたチリ紙を 二羽のカラス 奪い合い
- 地蔵に手を合わす 頬に冷たい粉雪 つらし
- 地蔵 毎日 雪・雨・風を受け たえている 我帰る家あり 幸せなり
- 地蔵に夫婦揃って 手を合わす 何を祈っているのか 我も手を合わす
- 向いの散歩みち 一人二人と 頭を下げてもくもくと 歩くのみ
- すれちがう散歩みち 杖にしばられて 横になって 歩くひと
- 妻は ハワイに旅立つ 我は白い湖面に 手を合わすのみ
- 散歩みち 立ち止まればピュ−ピュ−と音をたてて 足元を粉雪が 通り過ぎて行く
- 明日まで湖面は 白い銀世界 ゆうべの強風で湖面は 雪模様
- 小学校の体育館 今日は休み 淋しげに月曜日をまつ
- 地蔵にあげし 寸志 今日はだれしが 集金していったのかしら
- チランゲー台の地蔵横に並んで 陽に照らされても 一月の影
- 老夫婦歩くスキーで 夫はストックを振って妻をまつ 妻もストックを振って答える
- 地蔵に向かって写真を撮る 後は自然と 頭が下がるのみ
- 今日は風強く 粉雪は横なぐり 今日は一人も出会わない 一月末の散歩みち
- 散歩みち だれしがかけし赤い首巻き 強風のため横を向いている
- 一月の終わり 灰色の雲の切れ間から 少しの光り受けて 湖面にまだらな影を残す
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Posted by cyuou at
11:48 /
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